【2026年10月】永住許可のガイドラインが変わりました|年収・年金・扶養家族・居住年数の見直しなど

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Permanent Residence

在留資格 永住者

はじめに

もうすでにご存知の方も多いかと思いますが、永住許可を検討している外国人の方にとって、非常に重要な制度の改定が発表されました。

出入国在留管理庁は2027年4月1日以降の申請から適用される、新しい「永住許可に関するガイドライン」を公表しました。

※一部の要件については、2026年4月1日以降の申請にさかのぼって適用される点に注意が必要です。

この記事では、公表された内容をもとに、これから永住許可を申請する方、すでに永住許可を申請して審査中の方に関係する主な変更点を紹介します。

▼このページでわかること

永住許可ガイドライン改定の概要

在留資格「永住者」は、他の多くの在留資格と異なり、在留期間の更新がなく、就労を含む在留活動にも原則として制限がありません。

そのため、永住許可は、日本で長期にわたり安定して生活していくことを前提とした、非常に安定した在留資格です。

今回のガイドライン改定では、こうした永住者の法的地位を踏まえ、どのような外国人に永住を認めるのかについて、審査で考慮される事項やその基本的な考え方が、これまで以上に具体的に示されました。

これにより、永住を希望する外国人やその家族にとって、永住許可の判断基準がより分かりやすくなり、申請前の段階で自分がどの要件を満たしているのかを確認しやすくなることが期待されます。

ただし、ガイドラインに記載された基準だけで永住許可・不許可が機械的に決まるわけではありません。実際の審査では、申請人ごとの事情を踏まえ、さまざまな要素を総合的に考慮して判断されます。

新ガイドラインの適用時期

新しいガイドラインの改定は2027(令和9)年4月1日以降の申請から適用されます。
ただし「下記①収入水準」と「下記②公共の負担」の各項目については、2026年4月1日以降の申請であって、かつ改定日(2026年10月1日)において申請中である案件にも適用されます。

①収入水準は日本人世帯の平均年収以上

今回の改定で特に注目されるポイントのひとつが独立生計に関することです。

これまでの永住許可ガイドラインでも「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」が要件とされ、将来において安定した生活が見込まれることが求められていました。

必要な世帯年収はおおむね350万円以上(被扶養者1名につき60万円程度プラス)が目安とされてきました

今回の改定では、この要件について、「申請時点で申請者の属する世帯年収の額が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準の額に継続して達しているか」が考慮要素となりました。

さらに5人以上の場合には生活費相当額を加算する、という考え方も示されています。

つまり今後は、「本人がいくら稼いでいるか」だけではなく、「その収入で何人を支えているのか」という点がこれまで以上に重要になると考えられます。

日本国外にいる扶養親族にも注意

ここでもうひとつ注意が必要な点として「収入基準を判断する際の人数には、同居していない扶養親族も含める」という考え方が示されています。

例えば、同居はしていないものの、配偶者、子ども、親、その他の親族を扶養している場合には、その人数も世帯年収の判断に影響することとされています。

日本で働きながら母国の家族を扶養している方は少なくありません。

そのため、今後は単純に「国内の扶養家族のみを考慮すれば良い」とはならなくなります。

家族の収入を合算できる場合も

収入については、申請者本人だけでなく家族の収入を合算できる場合があります。

例えば夫婦共働きの場合には、世帯全体の収入として判断されることがあります。

ただし、すべての収入を合算できるわけではありません。

在留資格家族滞在等の資格外活動によって得た収入については算定しないという考え方が示されています。

上記①の収入水準は、2026年4月1日以降の申請にさかのぼって適用される点に注意が必要です。

②公共の負担となっていないこと

今回のガイドライン改定では、申請者やその世帯が「現に公共の負担となっていないか」「将来、公共の負担となる現実的なおそれがないか」についても、永住許可の審査で考慮されることが明確にされました。

通常の就労資格などから永住申請する方は、もともと「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)」を満たす必要があります。独立生計要件を満たしていると認められる場合には、「公共の負担となっていないこと」についても積極的に評価されます。

一方、日本人・永住者・特別永住者の配偶者や子などは、独立生計要件が免除されています。

ただし、これは「収入や生活状況が一切審査されない」という意味ではありません。

申請者の属する世帯が現に公共の負担となっている場合や、将来的に公共の負担となる現実的なおそれがある場合には、独立生計要件が免除される方であっても消極的に評価されることがあります。

もっとも、公共の負担があることだけで直ちに永住が不許可になるわけではありません。ガイドラインでは、家族単位での在留の安定や人道的な配慮を重視し、個々の事情を踏まえて総合的に判断することも示されています。

上記②の公共負担は、2026年4月1日以降の申請にさかのぼって適用される点に注意が必要です。

③将来受け取る年金の受給見込額

年金について、これまでの永住許可では、年金制度に適切に加入し、保険料全額を期限内に納付していることが大切でした。

今回の改定では、それに加えて、将来受け取る年金の見込が一定額以上必要となる考え方が示されています。

基準となるのは、

「独立生計要件で求められる収入水準で厚生年金に30年間加入した場合の年金受給見込額」

です。

実際の年金見込額がこの水準に不足する場合には、資産によって補うことができる場合があるという考え方も示されています。

現在の収入だけでなく、将来の年金や保有資産も含めて生活の安定性・継続性が確認されます。

生活保護等の公的負担とならないよう、永住許可申請の段階で慎重に審査されるものと考えられます。

④居住年数の特例

永住許可では、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要ですが、現在はいくつかの特例があります。

例えば、、日本人、永住者または特別永住者の配偶者です。

現在は「実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、日本に引き続き1年以上在留」している場合、原則10年の在留要件について特例が適用されました。

今回の改定では、この特例を

「婚姻生活5年以上 + 日本での継続在留3年以上」

へ見直す内容が示されています。

この特例を利用して永住申請を考えている方にとっては、大きな変更となります。

⑤長期間にわたり我が国社会の構成員として居住していること

原則10年以上の在留

永住許可は、原則として引き続き10年以上日本に在留し、そのうち5年以上を就労資格または居住資格で在留していることが必要です。

今回の改定では、長期間の出国について具体的な基準が示されました。

過去10年間に、合理的な理由なく、1回の出国で6か月以上、または通算2年6か月以上日本を離れていた場合は、原則として永住審査で消極的に評価されます。

※日本人の配偶者や高度外国人材など、10年以上の在留を必要としない特例があります。

最長の在留期間

2027年4月1日以降の永住申請では、現在の在留資格について最長の在留期間を持っていることが原則です。

※これまでは、在留期間が「3年」であっても、永住許可の審査では「最長の在留期間をもって在留している」ものとして特例的に取り扱われてきました。

2027年3月31日時点で「3年」を持っている人には経過措置あり

2027年4月になった瞬間に、在留期間「3年」を持っているすべての方が最長在留期間の要件を満たさなくなるわけではなく、一定の要件を満たす方への経過措置があります。

経過措置の内容

2027年3月31日の時点で在留期間「3年」を持っている方について、その在留期間内に永住許可申請の処分を受ける場合には、初回に限って「3年」でも最長の在留期間を持っているものとして申請することができます。

「3年」の在留期間については経過措置があります。

2027年3月31日までに永住申請をした場合は、「3年」でも最長の在留期間として取り扱われます。

また、2027年3月31日時点で「3年」の在留期間を持っている方についても、一定の条件を満たす2027年4月1日以降の初回の永住申請については、「3年」を最長の在留期間として取り扱う経過措置があります。

⑥日本語能力

ただし、すべての申請者に一律にB1相当以上が求められるわけではありません。高度外国人材やその家族、日本で初等・中等教育を通算6年以上受けた方などについては、B1相当以上の日本語能力を考慮しない場合があります。

また、一定の条件を満たす日本生まれの永住者の子についても例外が設けられています。

※具体的な取扱いについては、詳細が判明次第、追って掲載していきます。

⑦我が国への貢献に関するガイドラインは廃止

「我が国への貢献があると認められる者への永住許可のガイドライン」については、2027年3月31日で廃止となります。

税金・年金・健康保険料の情報連携も強化

永住許可では現在でも、税金・年金・健康保険料などの公的義務を適正に履行していることが重要です。

新旧ガイドラインでも、申請時点で納付済であっても、本来の納付期限内に支払われていなければ、原則として消極的に評価されています。

今後は、こうした公租公課の納付状況について、入管庁と関係行政機関との情報連携により共有が進められる予定です。

永住申請の直前だけではなく、普段から税金、年金、健康保険料などを適正に支払っておくことが重要です。

永住許可手数料は20万円へ

永住ガイドラインとは別に、手数料についても大きな変更が改定がありました。

2026年9月30日までの永住許可手数料は1人10,000円でしたが、2026年10月1日から、200,000円への引上げられています。

2027年4月から永住者の新たな取消制度も

2024年の入管法改正により、「永住者」の在留資格を取り消すことができる新たな事由が追加されました。

2027年4月から、永住者に関する新たな在留資格取消制度が施行されます。

ただし、税金などの支払いが一度遅れただけで直ちに永住者の在留資格が取り消されるという制度ではありません。

入管庁は、取消し等の判断に当たって、日本への定着性や法令違反の悪質性などの個別事情を厳正に判断し、特に慎重に運用する方針を示しています。

まとめ

今回の永住許可ガイドライン改定に伴う、主要な改定内容や留意事項などについて説明してきました。

これから永住許可を検討している方、すでに永住許可を申請中の方に向けて、今後も引き続き、運用に係る詳細を確認したうえで、順次その内容をご紹介していきたいと思います。

永住ビザ申請でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

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