日本の健康保険制度とは?|知っておきたい健康保険のキホン

はじめに

日本には、健康保険制度(医療保険制度)があります。

これは、病気やケガをしたときの医療費負担を軽減するため、国民全員であらかじめ保険料を出し合う相互扶助の仕組みです。

病院や医院に行ったとき、窓口で保険証やマイナ保険証を出すと、自己負担が原則1割〜3割に減り、残りは保険から支払われます。

日外国人の方も、一定の要件に該当すれば健康保険に加入します。

ただ、

  • 会社で健康保険に入っているけど、国民健康保険とは何が違うの?
  • 会社を辞めたら健康保険はどうなる?
  • 外国人だから加入しなくてもいい?
  • 保険料を払っていないとビザに影響する?

など、制度がよく分からないという方も多いと思います。

この記事では、日本で暮らす外国人の方に向けて、まず知っておきたい健康保険制度の基本を解説します。

野球でケガしたアンコさん画像
目次(気になるところから読めます!)

1.外国人の方も加入する健康保険制度とは?


日本では、外国人だからという理由だけで、健康保険制度の対象外になるわけではなく、基本的には「健康保険」または「国民健康保険」という健康保険制度のいずれかに加入します。

① 健康保険→会社員の方が、勤務先を通じて加入する

② 国民健康保険→個人事業主の方などが市町村役所にて加入する

2.会社で働く人が加入する「健康保険」

会社員として働いている外国人の方は、まず勤務先の健康保険加入状況を確認しましょう。

健康保険・厚生年金保険の適用事業所に常時使用され、加入要件を満たす場合には、国籍に関係なく健康保険・厚生年金保険に加入しているはずです。

加入手続は原則として勤務先が行います。

「外国人だから加入しない」はできません

Q. 給料から健康保険料を引かれたくありません。自分で国民健康保険に加入できますか?

原則としてできません。

会社等(適用事業所)で働く方は、原則として国籍に関係なく健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。(※パート・アルバイト等の方でも、週の所定労働時間や給与額などの要件を満たせば加入対象となります)

日本年金機構も、健康保険・厚生年金保険は、加入対象となる場合に会社や従業員が自由に加入・脱退できる制度ではないと案内しています。

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3.国民健康保険とは?

一方、勤務先の健康保険などに加入していない方については、一定の要件のもと、市区町村が運営する国民健康保険の対象になります。

例えば、

  • 自営業・フリーランス
  • 退職して勤務先の健康保険を喪失した
  • 勤務先の健康保険の加入対象になっていない

などの場合です。

会社員の方が勤務先を退職する際には、「国民健康保険に加入する」ほか、「以前の健康保険を任意継続する」「一定の要件を満たして家族の健康保険の被扶養者になる」などの選択肢が考えられます。

Information

日本に3ヶ月を超えて滞在する在留資格をお持ちで、会社の健康保険に入っていない方は、原則として国民健康保険に加入する義務があります。(※医療目的等の特定の在留資格を除きます)

Information

※75歳以上の方は「後期高齢者医療制度」に加入します

4.健康保険と年金は別の制度です

会社員の方の場合、健康保険料厚生年金保険料が同時に控除されているため、同じ制度だと思ってしまうことがあります。

しかし、目的は違います。

制度主な役割
健康保険病気・けがなどの医療保障
年金老齢・障害・死亡などに対する所得保障

会社員の場合には、健康保険と厚生年金保険の手続が一緒に行われることが多いため、セットのように見えます。

しかし、制度そのものは別です。

関連記事:日本の年金制度とは?①|外国の方が知っておくべき年金のキホン

5.会社を辞めたら健康保険はどうなる?

会社を退職すると、それまで加入していた勤務先の健康保険の資格を喪失します。

特に注意したいのが転職時で、

「次の会社で働くときに健康保険を支払うから、無職の期間は何もしなくていい」

と考えてしまうケースです。

退職して次の会社での勤務開始するまでの間は国民健康保険の加入対象者となりますので、退職した際は、市区町村の国民健康保険担当窓口で必要な指示を仰ぎましょう。

あわせて、年金についても厚生年金から国民年金への切替えが必要になる場合があるので注意が必要です。

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6.引っ越したときも健康保険の手続を確認

国民健康保険に加入している方が別の市区町村へ引っ越す場合には、国民健康保険についても手続が必要になります。

住所変更だけして、「国民健康保険のことを忘れていた」とならないよう注意しましょう。

新住所への転入手続きの際、役所の方から国民健康保険の加入に関する案内をいただければよいですが、基本的に国民健康保険に関する手続は自分で行わなければなりませんので注意が必要です。

7.健康保険料を払わないと在留資格に影響する?


「健康保険は病院へ行くための制度だから、在留資格とは関係ない」と考えてはいけません。

社会保障制度や税金の納付・納税義務を適切に履行していない場合、在留状況に疑義がついてしまう可能性があります。

また今後は、入管庁と市町村の情報連携が強化され、国民健康保険の納付に関する情報はリアルタイムで入管庁が把握できるようになるとのことです。

住民税や年金気加え、健康保険についても、日頃から適切に加入・納付しておくことが大切です。

永住許可申請と健康保険

永住許可申請では、健康保険料の納付状況は、重要な確認項目のひとつです。

現在の永住許可申請では、申請区分に応じて直近1年~2年間の公的医療保険(健康保険・国民健康保険)の加入状況や期限内納付の状況が確認されます。

審査対象となる期間の大半を「健康保険」に加入されていた方も、転職等により「国民健康保険」に加入していた期間が少しでも場合には、国民健康保険料(税)の納付に関する領収書等の提出が必要です。

納付期限内の全額納付が基本ですので、「申請直前にまとめて払えばいい」と考えないようにしましょう。


よくある質問

外国人も健康保険に入らなければいけませんか?

はい、加入が必要です。 日本に3ヶ月を超えて滞在する外国人の方は、原則として「健康保険(社会保険)」または「国民健康保険」のいずれかに加入する義務があります。

会社の健康保険と国民健康保険を選べますか?

自分で自由に選ぶことはできません。 会社(適用事業所)で働く方で加入条件を満たしている場合は、優先的に会社の健康保険に加入します。会社の健康保険に入らない方(自営業・フリーランス・未加入企業での勤務など)が国民健康保険に加入する仕組みになっています。

給料から健康保険料を引かれたくないので、国保にできますか?

A. できません。 会社の健康保険(社会保険)の要件を満たしている場合、法律上、加入・脱退を自由に変更することはできません。給料からの控除(天引き)は法律に基づいて行われます。

会社を辞めたら、その日から健康保険は使えなくなりますか?

原則として退職日の翌日から使えなくなります。 退職日の翌日に被保険者の資格を失うため、以前の保険証は使用できません。退職後は「国民健康保険への切替え」「任意継続手続き」「家族の扶養に入る」などの手続きを速やかに行う必要があります。

転職先が決まっています。国民健康保険への切替えは必要ですか?

退職から次の会社に入社するまでに「1日でも空く場合」は切替えが必要です。 前職を辞めた翌日に次の会社に入社する場合は切れ目なく社保が継続されますが、1日でも空白期間がある場合は、その期間の国民健康保険への加入手続きが必要となります。

国民健康保険への加入手続が遅れてしまいました。どうなりますか?

退職日までさかのぼって保険料を請求(遡及課税)されます。 手続きが遅れても保険料が免除されるわけではなく、資格を得た時点(前職の退職日の翌日など)までさかのぼって支払う必要があります。また、手続き完了までの間、医療費が全額自己負担になるリスクもあります。

健康保険料を滞納すると永住申請に影響しますか?

永住許可申請では、直近1〜2年間の公的医療保険の「加入状況」だけでなく、「納期限を守って正しく支払っているか」が厳格に審査されます。未納や納期の遅れがあると、不許可の原因となる可能性が非常に高いため注意してください。


まとめ

日本で生活する外国人の方にとって、健康保険は病院へ行くときだけ考えればよい制度ではありません。

会社への就職、退職、転職、引っ越しなど、生活が変わるタイミングで必要な手続も変わります。

そして、健康保険料の納付状況は、入管における在留状況の良否の判断に直結します。

大切なのは、「自分が加入する健康保険・国民健康保険の加入/納付状況や納付状況を適切に把握」しておくことです。

分からない場合には、勤務先、市区町村、加入している健康保険などへ確認しましょう。

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記事作成:在留資格申請取次行政書士 浅野

海外人材紹介会社、国内監理団体・登録支援機関での外国人材ビジネスを経験後、アンコール事務所を開設。

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