
Highly Skilled Professional
高度専門職は、学歴・職歴・年収などをポイントで評価する、外国人専門職のための在留資格です。
高度専門職1号・2号の制度、ポイント計算、優遇措置について解説します。
▼コンテンツ
A.転職(勤務先が変わる)した場合
D.長期出国する場合
1.「高度専門職」とは?
「高度専門職」は、専門的な知識や経験を持つ外国人材を対象とした在留資格です。
学歴・職歴・年収・年齢・日本語能力などをポイントで評価し、原則70点以上が一つの基準となります。
高度専門職には「1号」と「2号」があり、さまざまな優遇措置が設けられています。
A.高度専門職1号の特徴
- 在留期間「5年」
- 複合的な在留活動が可能
- 永住許可要件の緩和
- 配偶者の就労
- 一定の条件で親や家事使用人の帯同
B.高度専門職2号の特徴
- 在留期間「無期限」
- ほぼすべての就労資格に該当する活動が可能
- 1号で認められている主な優遇措置も継続

2.なぜ高度専門職制度が作られたの?
高度専門職制度は、優れた知識や技術を持つ外国人に日本で活躍してもらうために作られた制度です。
少子高齢化の進展などにより、企業や大学、研究機関では、高い専門知識や技術を持つ人材の確保が以前にも増して重要になっています。
また、優秀な人材を求めているのは日本だけではなく、世界各国が、研究者やエンジニア、経営者などの優秀な人材を積極的に受け入れようとしています。
そのような中で、日本も海外の優秀な人材から「働きたい国」「活躍したい国」として選ばれる必要もあります。
そこで作られたのが高度専門職制度です。
この制度では、日本の経済や技術の発展に貢献できる人材に対して、在留期間や永住許可申請の要件などで優遇措置が設けられています。
3.高度専門職ビザの種類(1号・2号)
高度専門職ビザは、活動内容に応じて「1号(イ・ロ・ハ)」の3種類に分かれており、その上位として「2号」があります。
大学や研究機関において研究、研究の指導、または教育を行う方が対象です。
A.高度専門職1号イ(高度学術研究活動)
- 具体例: 大学教授、准教授、公的機関の研究員、科学技術研究者など
B.高度専門職1号ロ(高度専門・技術活動)
日本の政府機関や民間企業等において、自然科学や人文科学の分野の専門知識・技術を活用する活動を行う方が対象です。
- 具体例: システムエンジニア(SE)、AI開発者、データサイエンティストなど
C.高度専門職1号ハ(高度経営・管理活動)
日本の公私の機関において、企業の経営や事業の管理を行う方が対象です。
- 具体例: 会社経営者、代表取締役、外資系企業の役員など
D.高度専門職2号
「高度専門職1号」として3年以上活動した方が対象となる在留資格です。
高度専門職2号では、高度専門職1号のイ・ロ・ハに相当する活動のうち、いずれか一つだけでなく、複数の活動を行うことも可能です。
さらに、それらの活動と併せて、ほぼすべての就労資格に該当する活動を行うことができます。
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4.高度専門職の「ポイント制度」とは
高度専門職では、学歴・職歴・年収などの項目をポイントに換算して評価する「高度人材ポイント制」が採用されています。
ポイントの評価方法は、次の3つの活動類型によって異なります。
A.高度専門職1号イ:高度学術研究活動
大学教授や研究者など、研究・研究の指導・教育を行う方
B.高度専門職1号ロ:高度専門・技術活動
技術者など、自然科学・人文科学の専門的な知識や技術を活用して働く方
C.高度専門職1号ハ:高度経営・管理活動
企業の経営や事業の管理を行う方
それぞれの活動類型について、学歴・職歴・年収などをポイントに換算し、合計70点以上となることが基準の一つです。
ポイントの評価項目や配点は、高度専門職1号イ・ロ・ハによって異なります。主な評価項目は次のとおりです。
| 評価項目 | ポイント加算の概要 |
|---|---|
| 学歴 | 学位や学歴に応じて加算されます。 |
| 職歴 | 対象となる業務の実務経験年数などに応じて加算されます。 |
| 年収 | 年収額に応じて加算されます。活動類型によって配点などが異なります。 |
| 年齢 | 1号イ・ロでは、年齢に応じて加算されます。 |
| 研究実績 | 特許、研究費の獲得実績、学術論文などが加算対象となる場合があります。 |
| 資格等 | 日本の国家資格やIT告示に定める試験・資格などが加算対象となる場合があります。 |
| 日本語能力 | JLPTやBJTなど、一定の日本語能力が加算対象となります。 |
| 特別加算(ボーナスポイント) | 日本の大学等での学位取得など、一定の条件を満たす場合に加算されます。 |
5.高度専門職ビザの主な優遇措置
高度専門職ビザを取得すると、通常の就労ビザにはない優遇措置があります。
A.原則「5年」の在留期間が付与される
通常の就労ビザでは、最初は「1年」や「3年」が与えられ、頻繁に更新手続きを行う必要があります。高度専門職では、法律上の最長期間である「5年」が付与されます。
B.永住許可要件の大幅な緩和(最短1年)
通常、外国人が永住権を申請するには10年以上の在留が必要です。しかし高度専門職ポイント計算において、
- 70点以上の場合:最短3年で永住許可申請が可能
- 80点以上の場合:最短1年で永住許可申請が可能
となります。
C.配偶者の就労要件の緩和
高度外国人材の配偶者は、所定の要件を満たした上で、在留資格「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」などに該当する就労活動が認められます。
D.親の帯同(呼び寄せ)が可能
一定の要件を満たす場合に限られますが、本人または配偶者の親を日本に呼び寄せることが認められます。通常の就労ビザでは親の呼び寄せは原則不可能なため非常に大きなメリットです。
主な要件は、
- 世帯年収が800万円以上であること
- 高度専門職外国人(またはその配偶者)の7歳未満の子を養育するため、または妊娠中の配偶者の介助・義務の履行を行うためであること
- 同居すること(別居は不可)
です。
E.家事使用人の帯同
一定の年収要件や雇用条件を満たす場合、外国から家事使用人を同行させることが可能となります。
F.入国・在留手続きの優先処理
高度専門職に関するビザ申請(認定・変更等)は、入管において優先的にスピード審査が行われます。
6.高度専門職と技術・人文知識・国際業務(技人国)の違い
高度専門職1号は、所属機関(勤務先)が指定されているため、転職して所属機関が変わる場合には、在留資格変更許可申請が必要です。
一方、「技術・人文知識・国際業務」では、転職後の仕事が現在の在留資格に該当する活動であれば、在留資格変更許可申請を行わずに転職できる場合があります。ただし、所属機関に関する届出などの手続は必要です。
7.高度専門職ビザ取得後に注意したい4つのポイント
高度専門職ビザは取得して終わりではありません。以下のライフイベントや状況の変化が発生した際には、特に注意が必要です。
A.転職の場合
高度専門職1号は、指定された「特定の会社・機関」での活動を前提に許可されています。そのため、転職した場合はたとえ同じ職種であっても、新しい勤務先を対象とした「在留資格変更許可申請」を再度行わなければなりません。
自動的には引き継がれないので注意が必要です。
B.年収が大きく変動(ダウン)した場合
ポイント計算で「見込み年収」を高く見積もって申請し許可されたものの、実際の年収がその基準を下回ってしまい、合計ポイントが70点を切ってしまうと、ビザの更新や永住申請の際に影響(不許可リスク)を及ぼすことがあります。
C.永住申請を予定している場合
「70点以上で3年」「80点以上で1年」の緩和措置を使って永住申請を行う場合、「申請時点」だけでなく、「過去3年間(または1年間)のすべての時点」において、継続してそのポイントを維持している必要があります。
D.長期出国する場合
日本国外への長期の出張や帰国がある場合、日本国内での公的義務の履行状況や在留実態の継続性が問われ、永住申請時の「継続した在留期間」のカウントがリセットされるリスクがあります。
8.Q&A
- 高度外国人材として認められると、どのようなメリットがありますか?
-
高度専門職1号には、複合的な在留活動の許容、在留期間「5年」の付与、永住許可要件の緩和、配偶者の就労、一定の条件の下での親・家事使用人の帯同、入国・在留手続の優先処理などの優遇措置があります。
高度専門職2号では、さらに在留期間が無期限となり、高度専門職1号の活動と併せて、ほぼすべての就労資格の活動を行うことができます。
- 何点以上あれば「高度外国人材」と認められますか?
-
学歴・職歴・年収等の項目ごとにポイントを計算し、その合計が70点以上に達した人が「高度外国人材」と認められます。
- 高度専門職2号になるためには、どのくらいの期間が必要ですか?
-
「高度専門職1号」で3年以上活動を行っていた方が対象となります。
- 高度外国人材として入国する際、家族も一緒に連れて行くことはできますか?
-
高度外国人材の扶養を受ける配偶者・子のほか、就労を希望する配偶者や、一定の条件を満たす親についても、高度外国人材本人と共に入国することが可能です。
- 高度外国人材の親を日本に呼び寄せることはできますか?
-
一定の要件を満たす場合、高度外国人材本人またはその配偶者の7歳未満の子を養育する場合や、妊娠中の高度外国人材本人またはその配偶者の介助等を行う場合に、親を呼び寄せることができます。
- 高度専門職1号では、複数の活動を行うことができますか?
-
高度専門職1号では、資格外活動許可や在留資格変更許可を受けなくても、複数の在留資格に該当する複合的な活動を行うことができます。
- 高度専門職1号と2号では、在留期間にどのような違いがありますか?
-
高度専門職1号には在留期間「5年」が付与されます。高度専門職2号では、**在留期間が「無期限」**となります。
9.まとめ
高度専門職ビザの申請には、正確なポイント計算や、加点項目に該当することを客観的に証明するための適切な立証資料の準備が不可欠です。
当事務所の高度専門職ビザ申請サービスでは、お客様の状況やキャリアプランに合わせた最適な手続きのサポートや、将来の永住申請を見据えたアドバイスなどをご提供しております。
まずは一度、お気軽にご相談ください。

記事作成:在留資格申請取次行政書士 浅野
海外人材紹介会社、国内監理団体・登録支援機関での外国人材ビジネスを経験後、アンコール事務所を開設。
ご相談について
在留資格(永住・技術・人文知識・国際業務・配偶者ビザ等)に関するご相談を承っております。
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