退去強制手続とは?

はじめに

「退去強制」とは、日本に在留する資格がない外国人を日本から退去させるための制度です。

しかし、退去強制事由に該当したからといって、その場で直ちに送還されるわけではありません。

実際には、入国警備官による違反調査から始まり、入国審査官や特別審理官による審査など、法律で定められた手続を経て進められます。

また、その過程では、出国命令制度や在留特別許可、監理措置などの制度が関係する場合もあります。

この記事では、退去強制手続の流れや、それぞれの段階で行われる内容について解説します。

目次(気になるところから読めます!)

退去強制手続とは?

退去強制手続とは、退去強制事由に該当すると考えられる外国人について、日本から退去させるかどうかを判断するための手続です。

退去強制事由に該当する疑いがある場合でも、直ちに退去強制が行われるわけではありません。

法律に基づき、違反調査、違反審査、口頭審理などの手続が順次行われ、その結果として退去強制となるか、あるいは他の制度が適用されるかが判断されます。

Information

根拠となる入管法

段階主な条文内容
① 退去強制事由第24条不法残留・不法就労などの該当事由
② 違反調査・収容第27条 / 第39条入国警備官による調査および収容令書の手続き
③ 違反審査第45条 / 第47条入国審査官による審査と認定通知
④ 口頭審理第48条認定に不服がある場合の特別審理官による判定
⑤ 異議申出・在特第49条 / 第50条法務大臣への異議申出と在留特別許可の裁決
⑥ 令書執行・送還第51条 / 第52条退去強制令書の発付・執行・監理措置・送還

退去強制手続の流れ

一般的な流れは次のとおりです。

  1. 入管へ出頭・摘発
  2. 収容又は監理措置
  3. 違反調査
  4. 違反審査
  5. 口頭審理
  6. 異議の申出
  7. 出入国在留管理庁長官の裁決
  8. 退去強制令書
  9. 送還

※事案によって、一部手続が異なる場合があります。

参考:手続き全体の流れ

退去強制手続きフロー

① 入管への出頭・摘発

退去強制手続は、自ら入管へ出頭した場合だけでなく、警察や入管による摘発を契機として開始されることがあります。

出国命令制度については、自ら出頭した場合には対象となる可能性がありますが、摘発された場合には利用できないことがあります。

▶ 関連記事「入管への出頭申告とは?」


② 収容又は監理措置

退去強制手続では、原則として入管施設へ収容される一方、監理措置制度も設けられており、一定の場合には、監理人の監理のもと、収容されずに手続が進められることもあります。

監理措置は、すべての方に適用されるものではなく、個別の事情を踏まえて判断されます。

▶ 関連記事「仮放免・監理措置とは?」


③ 違反調査

入国警備官が、退去強制事由に該当するかどうかを確認するための調査を行います。

本人から事情を聴取するほか、在留状況や在留期間、身分関係などが確認されます。


④ 違反審査

入国審査官が、調査結果に基づき、退去強制事由に該当するかどうかを審査します。

ここでは、事実関係や法令の適用について判断が行われます。


⑤ 口頭審理

入国審査官の認定に不服がある場合には、特別審理官による口頭審理を請求することができます。

本人の意見を述べる機会が設けられ、改めて審査が行われます。


⑥ 異議の申出

口頭審理の結果にも不服がある場合には、出入国在留管理庁長官に対し異議の申出を行うことができます。

この段階では、法律上の要件だけでなく、個別の事情も考慮されることがあります。

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在留特別許可との関係

退去強制手続のなかで、在留特別許可が認められることがあります。

在留特別許可とは、退去強制の該当者でも、一定の事由に該当した場合に、在留が特別に認められる制度です。

在留特別許可は、当然に認められるものではなく、家族関係や日本での生活状況、人道上の事情など、さまざまな事情を総合的に考慮して判断されます。

▶ 関連記事「在留特別許可とは?」

出国命令制度との違い

オーバーステイの方が自ら入管へ出頭した場合には、一定の要件を満たすことで出国命令制度を利用できる可能性があります。

出国命令制度は、通常の退去強制手続より簡易な手続きで出国することができ、上陸拒否期間も短縮されるなどの違いがあります。

▶ 関連記事「出国命令制度とは?」

よくある質問

退去強制手続が始まると、すぐに送還されますか?

いいえ。

退去強制手続は、法律で定められた複数の手続を経て進められます。

必ず収容されますか?

いいえ。

現在は監理措置制度も設けられており、事案によっては収容されない場合もあります。

オーバーステイなら必ず退去強制になりますか?

オーバーステイは退去強制事由に該当しますが、退去強制手続の中で、出国命令制度や在留特別許可などが関係する場合があります。

まとめ

退去強制手続は、退去強制事由に該当すると考えられる外国人について、日本から退去させるかどうかを判断するための行政手続です。

違反調査や違反審査、口頭審理などの手続を経て進められ、その過程では、出国命令制度や在留特別許可、監理措置制度などが関係する場合もあります。

退去強制手続の対象となった場合でも、取るべき対応は一人ひとり異なります。まずは現在の状況を正確に把握し、適切な対応を検討することが大切です。

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記事作成:在留資格申請取次行政書士 浅野

海外人材紹介会社、国内監理団体・登録支援機関での外国人材ビジネスを経験後、アンコール事務所を開設。

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