入管への出頭申告とは?
はじめに
在留期限を過ぎてしまい、「このまま入管へ出頭した方がいいのだろうか」「出頭するとすぐに収容されてしまうのではないか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
オーバーステイになったからといって、すべての方が同じ手続となるわけではありません。
しかしながら、出頭申告することで、特に帰国を希望している場合は、出国命令制度や利用できる可能性もあります。また日本に在留を希望する場合でも、在留特別許可の許否判断を行うに当たっての積極要素(有利に働く要素)になります。
また、自ら出頭した場合、監理措置により、身柄を収容されることなく、出国や在留継続に関する必要な手続きを進めることが可能となります。
この記事では、出頭申告とは何か、出頭後にどのような手続が進むのかについて、できるだけ分かりやすく解説します。
目次(気になるところから読めます!)
入管への出頭申告とは
一般に「入管へ出頭申告する」とは、「在留期限を失念しオーバーステイになってしまっている」「在留資格の変更や更新が不許可になり、出国準備期間を超えて在留してしまっている」など、在留に問題がある外国人が、自ら出入国在留管理官署へ行き、自身の状況を申告することをいいます。
オーバーステイしたら必ず出頭しなければならない?
出頭が最も安全な解決方法です。不法滞在のまま出頭せずにいると、警察や入国警備官に摘発(逮捕)されるリスクが高まります。摘発された場合は「退去強制手続」となり、原則として最低5年間は日本に入国できなくなります。
【自ら出頭した場合の大きなメリット】
帰国を希望しているか、日本への在留を希望しているかによって以下の制度や措置が受けられます。
共通のメリット
自ら出頭した場合、監理措置により、身柄を収容されることなく手続きを進めることが可能とされています。
帰国を希望する場合(出国命令制度)
自ら出入国在留管理官署に出頭するなど一定の要件を満たしていれば、収容されることなく簡易な手続きで帰国できる「出国命令制度」を利用できます。この制度で帰国した場合、日本への再入国禁止期間は1年間に短縮されます。
日本に残りたくて出頭する場合(在留特別許可を検討する場合)
引き続き日本での生活を希望する場合も、まずは出頭して理由を説明する必要があります。出頭申告したことは、日本への在留を特別に認めるかどうかの判断において積極要素(有利な要素)として考慮されます。
出頭するとどのような手続が始まるの?
出頭後は、一般的に次のような流れで退去強制手続が進みます。
- 出入国在留管理官署へ出頭
- 違反調査(入国警備官による事情聴取など)
- 入国審査官による審査(ここで「出国命令」や「在留特別許可」の対象になるかが検討されます)
- 【口頭審理】(審査結果に不服がある場合)
- 【出入国在留管理庁長官への異議申出】(法改正による最新の手続)
- 退去強制令書の発付(強制送還)
もちろん、すべてのケースが同じ経過をたどるわけではありません。
途中で監理措置や仮放免が認められる場合や、在留特別許可が検討される場合もあります。
参考:手続き全体の流れ

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出頭するとすぐに収容される?
「出頭すると、その場で収容されるのでしょうか?」
現在は、制度改正により監理措置制度が設けられており、収容されず社会内で生活しながら手続が進められるケースがあります。
また、収容された場合でも、一定の場合には仮放免が認められることがあります。
ただし、これらはすべての方に認められるものではなく、個々の事情を踏まえて判断されます。
出国命令制度との違い
オーバーステイとなった方の中には、一定の要件を満たすことで「退去強制」ではなく「出国命令制度」の対象となる場合があります。
出国命令制度を利用して出国できた場合は、通常の退去強制手続(原則5年以上の再入国禁止)とは異なり、日本への再入国禁止期間が一律で「1年」に短縮されるという非常に大きなメリットがあります。
ただし、すべての方がこの制度を利用できるわけではなく、自ら入管に出頭していることや、過去に強制送還などの履歴がないことなど、いくつかの厳格な要件を満たしている必要があります。
日本に引き続き住みたい場合
オーバーステイとなった場合でも、
- 日本人と婚姻している
- 日本で子どもを養育している
- 長年日本で生活している
など、様々な事情がある方もいらっしゃいます。
そのような場合には、事情に応じて在留特別許可が検討されることがあります。
もっとも、在留特別許可は当然に認められるものではなく、個々の事情を総合的に考慮して判断されます。
出頭する前にしておくべきこと
出頭前には、現在の状況を整理しておくことが大切です。
例えば、
- オーバーステイとなった経緯
- 現在の家族状況
- 日本での生活状況
- 就労状況
- 日本への定着状況
- 今後の希望
などは、その後の手続にも関わる重要な事情となることがあります。
事情によっては、出頭前に専門家へ相談した方がよいケースもあります。
まとめ
入管への出頭とは、自ら地方出入国在留管理局へ行き、自身の在留状況を申告することをいいます。
しかし、「出頭したら終わり」ではなく、そこから違反調査や審査などの退去強制手続が始まります。
また、ケースによっては、
- 出国命令制度
- 監理措置
- 仮放免
- 在留特別許可
などが関係することもあります。
そのため、現在の状況を正確に把握し、適切な対応を検討することが大切です。
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外部リンク(出入国在留管理庁):
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記事作成:在留資格申請取次行政書士 浅野
海外人材紹介会社、国内監理団体・登録支援機関での外国人材ビジネスを経験後、アンコール事務所を開設。
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