【特定活動-告示外-】妊娠等を理由とする特定技能1号の家族扶養申請

はじめに

今回ご紹介するのは、特定技能1号外国人の扶養下による特定活動(告示外)の申請を行った事例です。

※告示外特定活動とは、一律に決められたルール(告示)ではないものの、人道的な理由など個別の状況に応じて特別に認める『特例の在留資格』のことです

本来、特定技能1号外国人の家族の帯同は認められていません。

しかしながら、当該特定技能者の奥様(技人国にて在留)が、「妊娠、及び身体的な理由により就労継続・帰国が難しい」という事情を抱えていたから、最終手段として告示外特定活動への申請を選択したものです。

一方で、在留状況への疑義など、見過ごせない背景もあったことから、不許可の可能性も十分に視野に入れながらの申請となりました。

一般的な在留資格とは異なり、告示外特定活動には明確な許可基準が公表されていません。

そのため、申請人の事情を的確に把握・整理し、在留の継続が妥当であることをていねいに説明することが大切であると考えています。


申請の概略

項目内容
申請内容特定活動
<特定技能1号外国人の扶養下での特定活動>
申請人の国籍ベトナム人20代女性(特定技能1号外国人の配偶者)
申請人の在留資格技術・人文知識・国際業務
ご相談内容妊娠に伴い就労継続と帰国が困難となったため、適法な在留資格への移行を希望
主な課題▼前職退職後に技人国としての活動を行っていない期間が長期化していたこと
▼配偶者(夫)が特定技能1号であったこと
当事務所で作成した主な資料理由書・誓約書・在留期限までの活動予定説明書
審査期間約50日間

ご相談時の状況

申請人は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を有しており、特定技能1号で在留するご主人とご結婚・同居されていました。

しかし、諸事情により前職を退職後、適職に就くことができず、在留上求められる活動が長期間できないまま、出産日前に在留期限を迎える、といった状況でした。

ご主人の持つ特定技能1号の在留資格は家族滞在が認められないこともあり、出産前後の時期にどのように適法な在留を維持できるかが課題となりました。


申請までの経緯

申請する前に、申請人の居住地を管轄する入管にて事前に相談しました。

見解としては「本来特定技能1号には家族が帯同ができない」ことに加え「技人国としての活動中断期間について合理的な説明」がない限り、希望の結果を得ることは難しいとの見解でした。

しかし、申請人固有の事情を適切に整理した結果、説明する余地はあると判断し、正式な申請を行いました。

申請にあたっては、まずご夫婦の在留経過について詳細にヒアリングさせていただきました。

その後、これまでの経過や帰国出産が難しいことを記述した説明書、反省文、誓約書、許可を受けた場合の活動予定説明書、また公的義務を遅滞なく履行している証明などを提出資料としてまとめました。

技人国の活動中断期間が長引いてしまった点については「本来の活動を維持すべく求人を出している企業数社への申込をしたものの、ほとんどが書類選考も通過できなかったこと」によるものでした。

そのことを理由として記載するとともに、証明としてハローワークへの登録状況や求職活動がわかる資料すべてを取りまとめました。

あわせて申請人の方に対しては、今回仮に許可があったとしても、それは将来の適切な在留資格への変更、または出産後の帰国に向けた準備期間としての意味を持つものであり、通常の家族滞在と同様の資格ではないことをご理解いただきました。



結果

特定活動許可


まとめ

外国籍の方が日本で暮らす場合、就職、転職、結婚、妊娠、出産、子育てなど、人生の節目には在留資格が大きく関わってきます。

ですので、「これから日本でどのような人生を送るのか」を考えるときは、ぜひ在留資格の視点もより強く意識してほしいと思います。

ただ、日本の在留制度は理解しにくい部分も多いかと思います。

自分自身で制度を理解しようとすることも大切ですが、あわせて制度に正しく精通した知人・友人がいれば、まずはその方にも相談してみてください。

また、費用は掛かってしまう可能性もありますが、行政書士などの専門家に適切なアドバイスを求めるのも手です。

特に、今回の事例のように本来は家族帯同が認められない資格であっても、個別の事情によっては道が開けることもあります。

例えば、特定技能1号で働いている方にとって、特定技能2号への挑戦は、将来の選択肢を広げる大きな目標の一つになります。

もちろん、特定技能2号に変更できたからといっても、在留状況の良否によっては、その後の家族滞在が当然に認められるわけではありません。

しかし、自ら努力してキャリアを積み重ねることは、ご本人だけでなく、ご家族にとっても大きな意味を持つはずです。


申請人とご主人がこれからも力を合わせ、それぞれの目標に向かって歩んでいかれることを心より願っています。

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