【ビザ申請コラム】特定技能1号で家族帯同はできる?

特定技能1号は、原則として家族帯同が認められていない在留資格です。

一方で、私が登録支援機関にいたころ、周囲の特定技能1号で就労される外国人で何人かの方から「国内在住の配偶者の帯同(告示外の特定活動特定活動)が許可された」とのお話を伺いました。

特定技能1号の方の扶養下にて配偶者が在留を継続できる特例的な扱いが認められたというのものです。

ものすごく数が多いわけでないと思われますが、個人的な感想としては、まあまあの人数の方が、この在留資格を比較的容易に取得しているなと感じました。

特定技能1号はどのような制度?

特定技能1号は、人手不足分野において、専門の技能を持つ外国人材が「通算5年間」就労できる在留資格です。

長期間の在留を前提とした制度ではなく、また原則として家族帯同は認められていません。

特定技能1号で在留される方、所属機関の方は、まずは「家族と一緒に日本で生活すること」を前提として作られた在留資格ではない、という点を理解しておくことが大切です。

「人道的配慮」が問題になるケース

もっとも、実際の生活では、制度だけでは整理しきれない事情が生じることがあります。

なかでも、特定技能1号の方ご自身、または配偶者の方の妊娠や出産など、特段の配慮が必要と認められる事情(人道的配慮が必要な事情)などです。

事情の深刻度に応じて特例的な在留資格の申請が検討されることとなります。

ただし、ここで注意しなければならないのは、「人道的事情がある=必ず許可される」というわけではないという点です。

最近の在留管理の厳格化の中で感じること

在留管理の厳格化は着実に進んでいる印象があります。

そして、特定技能1号の方の扶養による特定活動の審査では、

  • 扶養を受けようとする方、扶養する方双方の現在の在留状況が適正化か
  • 真に配慮の必要な事情があるかどうか
  • 本来の在留資格の再開の見込みはどうか
  • 申請理由と実態は整合しているか

などが、より慎重に確認されているように感じます。

出産に伴い一時的に本来の在留活動は中断するが、出産後の雇用先が確保されているなど、本来の活動の再開が見込める状況であればまだ説明もできるかもしれません。

しかし、ただ単に「妊娠して出産を控えているし周りの人も許可された人がいる」という理由のみで在留の継続を計画するのは、少し楽観的すぎるかもしれません。

「以前は許可された」はあぶない

「以前は大丈夫だった」「知人は許可された」という情報だけで安易に許可を期待するのは危ないと思います。

特に、特定技能1号のように、本来的に家族帯同を予定していない制度では、個別の事情も考慮はするものの、本来の制度趣旨との関係も含めて慎重に判断されている印象があります。

正しく制度を理解することが大切

特定技能1号の方の扶養下での家族の帯同は、特段の事情があると認められれば、確かにできるのかもしれません。

ただ、家族の帯同は「出産を控えていれば必ず許可されるらしい」「知人は許可された」という情報だけで在留の継続を計画するのはとても危ないです。

家族が増えるのは大変喜ばしいことですが、一方で、特例的な在留資格の付与を期待して、帰国出産の検討や準備をまったくしない、あるいは本来の在留資格の活動を維持しようとする努力をしない、というのは、最終的に母子の健康に影響してしまう可能性があります。

なぜなら、必ず許可がおりるわけではないからです。

家族は再会できる

一時的に家族が離散してしまったとしても、短期ビザで行き来し、計画的に会うことはできます。

特定技能1号の通算在留期限は5年です。遅くとも5年以内には帰国し家族が一緒になれます。

また扶養者の特定技能1号の方が2号に合格すれば、ご家族の方は家族滞在ビザの取得も可能となります。

もちろん、出産後に特定技能外国人として再入国だってできます。

不許可となるタイミングにもよりますが、不許可後に帰国出産を大急ぎで計画することは、母子にとって好ましい行動ではありません。

母子ともに安心して出産を迎えられるよう、現在の入管の対応状況なども加味した適切な選択を早めにとることが大切なのではないかと感じています。

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