結婚ビザの条件とは?

日本人と外国籍の方が結婚して日本に住むとき、外国籍配偶者は「日本人の配偶者等」という在留資格を取得します。一般的に「配偶者ビザ」「結婚ビザ」などと呼ばれるため、この投稿では、「結婚ビザ」という名称で説明します。

結婚ビザの概要はこちらをご覧ください。

目次

結婚ビザの条件とは?

入管局の審査官は、あなたたちが時間をかけて形作ってきたラブストーリーを申請書類だけで審査します。

馴れ初めやお付き合いの様子、結婚式のこと、今後どんな風に結婚生活を送る予定なのか、1組1組インタビューしてくれません。全ては書類のみ。

それでは、審査官はどんな目線であなたの書類を見るのでしょうか・・・。結婚ビザの条件をひとつひとつ確認しながら読み解いていきましょう。

条件1:そこに「愛」はありますか・・・

ずばり「偽装結婚じゃないですよね?」という視点です。

真実の愛」であることについて申請書類で説明する必要があります。

交際に至ったきっかけは?紹介者はどなた?出会いから結婚までの経過は?普段はどんなふうにやり取りしてるの?夫妻に離婚歴は?ご家族構成は??などなど。

「そんなプライベートなこと説明したくない!!」と思ってしまうお気持ちはよくわかります。でもしかたないんです。そういう審査なんです。

ですので、ここは盛大に開き直ってお二人のラブストーリーを披露してしまいましょう!!

結婚ビザでよく話題になるのが「ふたりの出会い」について。出会い方によっては審査に不利・・みたいなあれです。

たしかに「趣味を通じた共通の知人の紹介により意気投合し・・・」なんてきれいな出会いばかりではありません。出会いも多様な世の中です。

しかし、結婚ビザのどのウェブサイトを見ても「出会いがSNS・キャバクラ・結婚相談所 etcは不許可リスク高し!!」みたいなことが書かれています。加えて「年の差カップル」「離婚歴あり」「交際が短期間」なんて追加されると、もはや絶望的・・・くらいの勢いです。

確かに不利かもしれません・・・

でも!!もしそこに「真実の愛」があるのならば、前に進むしかありません!!

条件2:同居はマストではないが「ベスト」

また入管局は、結婚後のご夫妻は「同居をするもの」という前提で審査します。

結婚生活のあり方も多様化し、週末婚や別居婚も珍しくなくなってきました。単身赴任も当たり前の世の中です。

しかしながら、結婚ビザについては、住居をを購入または借りるなどし同居することを前提として申請するのがベストです。

なぜなら、別居婚を前提とした申請は、ビザを付与することの相当性の立証が難しくなるからです。

結婚ビザは、就労ビザと異なり、日本での生活の自由度が飛躍的に高まります。そしてなにより永住ビザ申請に必要な日本在留期間が大幅に短縮されるというメリットもあります。なので、どんな手を使っても手に入れたい日本のビザの一つなのです。

繰り返しとなりますが、「同居」は実態のある結婚生活であるかどうか、という点で大変重要な位置付けになっています

条件3:お金も大切だけど大丈夫ですか??

日本で生活するためのお金はちゃんとありますか?」ということも審査を受けます。

入管局がそのことを確認するためにまず確認する書類は「住民税の課税証明書」です。この証明書には、日本人の配偶者(身元保証人となる人)の前年度の総収入が記載されています。入管局は、その金額の多い少ないで、まずは生計費が十分かどうか審査します。

「愛さえあればお金なんて必要ないでしょ!?」とお考えになる方もいるでしょう。それは間違いではないかもしれません。

でも入管局な違います。「愛情あふれる豊かな結婚生活を送るにはお金も必要だよね!!」という立場です。

ちなみに、金額の基準は??と疑問をお持ちになる方も少なくないかもしれません。

公表された基準額はありませんが、当事務所では、おおむね年収で220万から250万円くらいをベンチマークと捉えています。

この金額を下回るときは、日本人配偶者に加えて、親族など新たな費用支弁の協力者をたてるなど、何かしらの対策を考えた方が良いでしょう。

また在職証明書や、収入見込証明書などを添付し、将来的に安定した収入を確保できることを証明することも大切です。

当事務所では、かつて年間収入が120万円の身元保証人の方がいらっしゃいましたが、それなりに対策したことで許可をいただきました。

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ではお金がたくさんある人が審査に有利かというと、そうでもないケースがあります。

お金がたくさんあってもそれ以外の審査項目で不許可となることだってあります。

また「お金がたくさんあれば良いんでしょ!!」といって、確定申告されていない収入を提示しようとする方もいますが、税金や社会保険の算定に加算されていない収入を提示するのはよろしくありません。お金がある、ない以外の別の問題が発生してしまいます。

確定申告が必要な収入がある方で、将来結婚ビザ申請を検討している日本人配偶者の方は、日頃の税務処理を適切に行なっておきましょう!!

条件4:社会のルール守れますか??

「愛があればルールなんて関係ないよネッ!!」といきたいところですが、そうはいきません・・・。

結婚ビザ申請では「社会に迷惑かけないで生活できますか??」という目線での審査もあります。

「秩序ある共生」を旨とする入管局ですから、このことに懸念がある申請には、当然厳しいを目を向けてしまいます。

身元保証をする日本人については、その方の住民税納税証明書により納税義務を履行していることについて証明しなければなりません。

住民税に未納がある方は、いますぐ納付して未納を解消しておきましょう。

なお、年金や健康保険など社会保険に関する証明書類は、結婚ビザの提出書類として示されていませんが、未納がある方は、申請前までに必ず解消し、できれば社会保険の納入を証明できる書類も取得しておいた方が安全でしょう。

外国籍の方の経歴面では、「犯罪を理由とする処分を受けたことの有無」は在留資格認定証明書交付申請書で、「退去強制又は出国命令による出国の有無」は在留資格認定証明書交付申請書と質問書でそれぞれ申告する必要があります。

なお、日本から退去強制された人や出国命令を受けて出国した人は、原則として「上陸拒否期間」は日本に上陸することはできません。具体的には以下のとおりです。

  • 過去に日本から退去強制されたり、出国命令を受けて出国したことがある人(リピーター)の上陸拒否期間は、退去強制された日から10年
  • 退去強制された人(リピータを除く)の上陸拒否期間は、退去強制された日から5年
  • 出国命令により出国した人の上陸拒否期間は、出国した日から1年

注意:日本国内外の法令に違反して1年以上の懲役又は禁錮等に処せられた人や麻薬、大麻、覚醒剤等の取締りに関する法令に違反して刑に処せられた人に対しては、上陸拒否期間に定めはなく日本に上陸することができません。

退去強制されたり出国命令を受けた経験がある方は、どうしても厳しく審査されてしまいます。

ですので、過ちをしっかり反省し、将来に向けて法令を遵守しながら在留することを、説明書などでしっかり証明していきましょう。ルールを守れるかどうかは、社会からの信頼の獲得にも直結します!!

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