資格概要 -Overview-

① 資格の趣旨

在留資格「家族滞在」は、日本で仕事をする、または学業に励む外国籍の方が、配偶者や子どもを日本に呼び寄せるための在留資格です。家族と一緒に生活することで、安心して仕事や勉強に専念できる環境を整えることができます。ここでは、一般的に用いられる「家族滞在ビザ」という用語で説明します。

【在留資格の申請ができる人】

すでに日本で生活している外国人の配偶者(夫・妻)および子供です。たとえば、日本の企業で働く外国人エンジニアや通訳者、日本の大学に通う留学生などが、家族を日本に呼び寄せる際に利用できます。ただし、両親や兄弟姉妹はこのビザの対象外となるため、別の在留資格を検討する必要があります。またすでに日本で生活している外国人夫婦の間で、日本においてお子さんを出産した場合は、そのお子さんについて、在留資格取得許可申請により家族滞在ビザを得ることも可能です。

【経済的に安定していることは必須】

家族滞在ビザを取得するためには、「扶養者」となる外国人が安定した収入を持ち、家族を養う経済的な余裕があることが重要です。特に、留学生の場合はアルバイト収入だけでは認められにくく、学費や生活費を支援する十分な資金が求められます。「家族滞在」の在留資格では原則として働くことはできませんが、資格外活動許可を取得すれば週28時間以内の労働が認められます。

【行政書士への依頼について】

申請手続きには、扶養者の在留資格を証明する書類、家族関係を示す証明書、経済状況を示す書類が必要となります。また、審査では家族関係が本物であるか、日本での生活が維持できるかどうかが厳しくチェックされるため適切な準備が必要です。費用がかかるというデメリットはありますが、専門家である行政書士に依頼するのもひとつの方法です。料金の相場は、認定証明書交付申請・変更許可申請で5万円〜14万円となっており、事務所によって大きく異なります。サービス内容やサポート範囲も異なるため、複数の事務所に見積もりを依頼し、費用やサービス内容を比較検討することをおすすめします。

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② 資格要件

主たる外国人の在留資格】

家族滞在の在留資格申請には、申請者の配偶者や親が、既に有効な就労系または留学の在留資格を持っていることが前提です。

  1. 就労系の在留資格(日本で働いている外国人)
    高度専門職/技術・人文知識・国際業務/企業内転勤(海外企業から日本企業へなど
  2. 留学系の在留資格(日本の学校で学んでいる外国人)
    留学(大学、大学院、専門学校、日本語学校の学生)
  3. その他の在留資格
    教授/芸術
  4. 家族滞在ビザを申請できない在留資格
    特定技能/技能実習/短期滞在など

【扶養関係の証明】

申請者が主たる外国人に扶養されていることを証明する必要があります。扶養関係とは、主に経済的に支えられていることを意味し、主たる外国人の収入が十分であり、家族を養うことができることを証明する必要があります。扶養対象となるのは、配偶者および18歳未満の子どもです。

【適切な生活基盤の確保】

申請者と家族とともに日本で生活するための住居や生活環境が整っていることが求められます。

必要書類・審査期間

③必要書類の例(在留資格認定証明書交付申請の場合)

【共通書類】

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 証明写真

【申請人と扶養者との身分関係を証する次のいずれかの書類】

  • 戸籍謄本
  • 婚姻届受理証明書
  • 結婚証明書
  • 出生証明書
  • 上記に準ずる文書

【扶養者に関する書類】

  • 扶養者の在留カードとパスポートの写し
  • 扶養者の職業及び収入を証する文書
  • 扶養者が収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行っている場合、在職証明書又は営業許可書の写し等
  • 住民税の課税/非課税証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 

【扶養者が就労以外の活動を行っている場合】

  • 扶養者名義の預金残高証明書又は給付金額及び給付期間を明示した奨学金給付に関する証明書
  • 上記に準ずるもので、申請人の生活費用を支弁することができることを証するもの

④審査期間

入管による審査期間は、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請ともに 約 1か月~3か月が見込まれます。審査期間が長引く主な要因として、書類不備に伴う追加資料要求、申請者の経済状況や扶養能能力が不安定、家族関係証明が不十分、などが挙げられます。 できるだけ早くビザを取得するためには、申請前に書類をしっかり準備し、不備のないようにすることが重要です。

まとめ

家族滞在ビザは、家族と一緒に生活することで、安心して仕事や勉強に専念できる環境を整えるための大変魅力的なビザです。書類の準備さえ整えば許可の確率も高い在留資格ですが、入国管理局の審査に適した書類作成や手続きに精通した行政書士に相談/依頼し不許可リスクを低減させるのもひとつの方法です。

記事作成:浅野 長慈 (在留資格申請取次行政書士)

地方公共団体勤務の後、海外人材紹介会社、国内監理団体にて外国人材ビジネスを経験。2024年、アンコール事務所を開設。